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ネクタイを外せばカジュアルは誤解

カンヌ国際映画祭でパルムドールに輝いた、マイケル・ムーア監督の『華氏911』を見ると、ブッシュ大統領を捉えたさまざまな映像が登場する。ゴルフウェア姿のブッシュ、あるいは着古したTシャツにカウボーイハット姿のブッシュは、スーツ姿のときよりもはるかに生き生きとしている。パーツァート大ビジネススクールでMBAまで取得しながら、ジョージ・W・ブッシュという人物はスーツよりもスポーティーなスタイルのほうが似合っているのだ。どうせならばシーアイランド・サミットでも、ノーネクタイなどという中途半端なドレスコードではなく、いっそのことスポーティーなスタイルで、としたほうが良かったかもしれない。ネクタイを外せばカジュアル、というのは大いなる誤解だ。タイドアップ・カジュアル、ネクタイをきちんと締めるカジュアルもある。釣りや狩猟といったスポーツでさえ、ネクタイをきちんと紡んで臨むべき場合があるほどだ。だからこそ、ノーネクタイのときはネクタイを締めているとき以上に上級の着こなしが要求されると心得たほうがいい。それにしてもノーネクタイ姿の首脳たちはみな、どこか居心地悪そうに見えるものだ。スーツから単にネクタイを外しただけに等しい着こなしだからだろう。なかには本当にスーツ姿でネクタイを外しただけの首脳もいた。ブッシュ政権が意図したのは「カジュアルにフランクに」なのだが、サミットの重さが各首脳たちにスポーティーな装いを選ぶことを躊躇わせたのかもしれない。シーアイランドという場所柄を考えれば、麻かサマーコットンのスーツ、あるいはジャケットとパンツの組み合わせが相応しい。より快適さとプライオリティを表現するならば、シルクシャンタンのジャケットにサマーウールのパンツという選択もある。加えて靴も大事な要素だ。リゾート地ではそれなりの靴を合わせるべきだが、多くの首脳たちはダークスーツ用の黒い靴を履いていた。

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